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Graphpaper 南氏によるHeavy Weight S-S Oversized Tee解説

Graphpaper 南氏によるHeavy Weight S-S Oversized Tee解説

2026.04.23 / ITEMS

Heavy Weight S-S Oversized Tee|Graphpaper

「もっと厚くできないかな」
それだけだった。

大きなビジョンがあったわけでも、市場のニーズを読んだわけでもない。ただ、もう少し——その感覚だけが最初にあった。

「元々そのパックTの生地というかもうすごい気に入っていて、全然1枚でも着れるし良かったんですけど、もっと厚くできないかなみたいな話をちょっとそのニッターさんと話してたら」

完成されていたものに、あえて手を入れる。それは否定ではない。気に入っているからこそ、もう一歩先を見たくなる。その「もう少し」が、新しいものを生む。

ニッターとの会話は、いつも具体的だ。

「ちょっと番手を上げてみたらどうか、糸の番手を上げて、普通に同じ編みで編んでどうなるかみたいなのを試験してもらって」

番手を上げる。編み方は変えない。言葉にすると単純な変更だが、生地というのは数字通りにはいかない。触った感触、落ち感、透け感——あらゆるバランスが微妙にずれていく。だから試験してもらうしかない。答えは、やってみるまで誰にもわからない。



しばらくして、連絡が来た。
「そしたらなんかすごいいいのができたっていう話で」
この"なんか"の中に、ものづくりの核心がある。

南さんは結果を説明しない。数値も、根拠も、出さない。ただ「すごいいいのができた」と言う。それはなぜか——おそらく、言葉にできないからだ。

「ニッターさんの秘伝があるので、細かいところまでは全部わかんないんですけど、すごい職人なんで調整してもらってると思うんです」

わかる部分と、わからない部分がある。それを正直に言える人が、本当にいいものを作れる。説明できないことを「秘伝」と呼んで、そこに信頼を置いている。それがGraphpaperのものづくりの、ひとつの流儀なのだと思う。



着てみて、驚いた。

「暑い夏場には暑いのかなと思いきや、やっぱりその糸の番手が上がったことによって厚みが出て、汗の吸収がもう少し——厚い分なんかさらっとしてるというか、意外といけるというか」

「思いきや」という言葉が面白い。南さん自身も、予想していなかったということだ。厚くなれば暑くなる。それが普通の感覚だけれど、実際は逆だった。厚い分、汗を吸う。吸うから、さらっとする。理屈では説明できるが、体感として納得するまでには着てみるしかない。

最後に、南さんはこう言った。

「1回買ったら結構そっちが好きだなっていう人もいるんじゃないかなと思います」

断言しない。でも、確信がにじんでいる。
押しつけない。ただ、自分が本当にいいと思っているものを、静かに差し出す。それで十分だと、知っているから。

——Graphpaper デザイナー 南 貴之へのインタビューより 抜粋



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