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掘り出し物

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掘り出し物
 昔から掘り出し物に憧れている。
まずなんといっても掘り出し物という言葉の響きに惹かれる。拭いきれない宝探し感。掘り出すといういかにも重労働な感じ。それらが僕の冒険心に火をつける。
 しかし、掘り出し物は難しい。単に金額が安いだとか、お買い得だとかいうだけでは、掘り出し物とは呼べない。探してもなかなか見つからない物が、巡りあわせによって、突然目の前に現れる。こういうプロセスを経て、やっと掘り出し物としての称号を得る。安ければ尚良し。
 僕もいつの日か、驚くような掘り出し物に出会うことを夢見て、日々生活を送っているが、なかなかその機会は訪れない。それにしても訪れない。最近ではむしろ、僕は極端に掘り出し物運が無いのではないかとも思うようになった。

 先日も、あるリユースサイトで気に入ったテーブルランプを見つけ購入した。
 もちろん過去の履歴や相場など、冷静に色々と調査した結果「これは買いだ」という判断に至ったので購入のボタンを押した。
 翌日なんの気無しにそのサイトを開くと、オススメの欄に全く同じものがちょっと安い金額で出品されていた。そんなに頻繁に出品されるようなものでは無いはずなのに。
 しかし、そんなことでは僕は落ち込まない、きっと安いのは状態が悪いからだろう、そう思って気を紛らわし数日後、購入したテーブルランプが届き、早速電球を付けようと部品を外したら、重要そうなプラスチックのツメがポキッと折れた。
 同時に僕の心もポキッと折れた。

 時代のせいにするつもりはないが、現代は掘り出し物を探すのに不向きな時代なのかもしれない。最近引越しをしたのだが、物件探しの際に改めてそう感じた。
 ご存知の通り、今はほとんどの物件が専用の検索サイトに登録されていて、誰でも検索できるようになっている。なので、場所や広さや築年数などで、だいたい相場は決まってくる。仮に不動産屋に直接出向いたとしても、店頭で同じサイトを見ながら相談にのってくれるだけだ(僕の場合はそうだった)。
 なんとなく分かってはいたものの、心のどこかで、気前のいい大家が破格の家賃で「頑張ってる若い子に貸してやってくれ」とかなんとか言って入居者を密かに探している、掘り出し物の物件がもしかするとあるのかも、なんて淡い期待を抱いていたが、そんな上手い話は無いようだ。

 古本を買うのもそうだ。引越した先の近くには、大手チェーンの古本屋と、〇〇書房と手書きの看板を出した個人経営の古本屋と、古本屋が二軒ある。引っ越し早々、チェーンの古本屋を覗いたが、流石に大手のチェーン店。一点の曇りもない完璧な値付けで、掘り出し物なんて到底見つかりそうもない。そりゃそうかと思い。次に期待を胸に〇〇書房の方を覗いてみると、店内一面、手堅く売れ筋の漫画本だらけで、そもそも買うものがなかった。
 値段はちょっと割高だった。

 そんな中、最近僕は珍しく驚くような商品に出会った。掘り出し物と言うと、ちょっと違うかもしれないがBHUTAN TEXTILESの商品にはそういう意味でかなり驚いた。この商品がどんなに素晴らしい商品かということはこちら特集ページにしっかり書いたので確認していただくとして、とにかくこんな商品どこを探しても見つからないと思う。そして国連のプロジェクトなので、正直言って値段に驚く。安いから買って欲しいというわけでは更々無いが、好きな方は是非見てみてほしい。
 少なくとも僕は、先日のテーブルランプの失敗を補って余りあるほどの満足感を感じている。

藤雄紀

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